マジック療法
マジックを始めたきっかけ
大学病院での研修医時代、教授回診大行列に患者は緊張し、笑顔すらない病棟。新米医師の私には、なぜ大学病院で笑いを提供しないのか、なぜ笑いの治療室や笑いの舞台などがないのか、と不思議に思えた。この経験から、マジックをちょっとだけ、患者さんに提供しようと考えました。
Dr.マジック誕生!
仮の姿はDr.でその実態はMagician。夢と不思議で治療する男。しなやかな指先から湧き出るリズミカルでハートフルなMagicは人の心を和ませ、医学の力は多くの命を救う。二つの顔を持つ男。
これは1993年PCAM世界奇術大会(カナダバンクーバー)で優勝した記念に行った、チャリティーマジックショーのポスターの内容です。
マジックとの出会いは、おもちゃ屋で購入した不思議なスポンジのうさぎでした。手の中に1個のうさぎを握ると2個に、そして3個、4個に増え、最後は大きなうさぎに変身するのです。そんなバカな! 医学の理論からは決して考えられないのです。大学院で動物実験と免疫組織化学という、左脳中心の研究生活を送っていた私は大変なカルチャーショックを受けたのです。このままでは頭が固くなってしまう。右脳を刺激する生活を考えなければ…。
おもちゃのマジックの種は簡単なものでした。Simple Is Best!この種が感動を生むのか!
それから地元のマジッククラブ(西日本奇術クラブ)に入会し、新しい世界との出会いの始まりです。発表会での初舞台、マジックコンテストへの挑戦、九州大会、全国大会、そして世界大会での優勝。また、新しいマジッククラブの結成等、アッという間でした。その間、マジックを患者さんとのコミュニケーションの手段として、また、脳血管障害や変性疾患のリハビリとして、地域医療でのお年寄りや子供会での健康講演会で、障害者の療育施設でのボランティア活動として、様々な場所で活用してきました。
医者としては、大学院での研究生活後、一般内科病院で脳血管障害を中心に、そして重症の心身障害児施設では脳性まひのリハビリを研究し、1996年の4月には春日市に老人デイケア併設のクリニックを開院し、地域医療の拠点施設としてのデイケア医療を実践してきました。
さらに私はマジック訓練を取り入れて、徹底したイキイキ健康作戦と、あらゆる痛みに対応する治療として西洋医学と東洋医学およびメディカルマッサージ(指圧、足の裏マッサージ、はり、灸、アロマセラピー、気功等)を活用した、私なりに考える「統合医療」を実践。
毎月の楽しいイベントや、様々な年間行事にマジックショー。特に週2回のマジックリハビリでは、脳の血流改善と活性化を目指して、ロープ、カード、シルクを応用した手先を使った訓練で、有意な効果を得られたと自負しております。