Dr.マジックとは?
大学病院での研修医時代、患者さんはリラックスよりも緊張する場面の方が多く、「笑い」の少なさを感じて いました。 また、医師には威圧的な雰囲気が強くあって、これは改めなくてはいけないなといつも思っていました。
そんな折、趣味で始めたマジックを患者さんの前でやってみたら、「先生は楽しい人だね」と大変喜んでくれ、暗かった病室がばぁーっと 明るくなったんです。 マジックは笑いを運び、緊張感をほぐします。そこから信頼関係も生まれて治療もしやすくなります。
Dr.マジックの活動理念
マジックを利用した“笑い”への挑戦~医療現場での想い~
大学病院などでは、先生方が大名行列のように歩いていて、患者は緊張し、正座などをして待っています。そんな時、一言でもジョークを言って笑わせ緊張をほぐすことができたら、とわたしは考えていました。健康な人間は、肉体的、精神的に疲れると、呑みにいくとかパチンコをしに行くなどの娯楽があります。しかし、体や心が弱り大学病院に救いを求めている患者たちには、それに代わって心を癒してくれるものはないでしょう。これでは、果たして大学病院は十分に機能しているといえるでしょうか?そのような疑問から、私の医療現場に積極的にマジックを取り入れ、「患者さんを笑顔にする事」の挑戦が始まったのです。
健康であることとは~免疫のちから~
みなさんは健康かどうかを確認する方法として、血液や血圧、尿検査などをしますね。これらは大丈夫。では、健康である証拠は、と問われると実は医者はなかなか答えられません。 そこで、免疫細胞の話をします。みなさんの年代だと一日に約3000個のがん細胞ができています。私たちの身体の中では毎日約60兆の細胞ができる、つまり細胞分裂をしているのです。わかりやすく言うと、細胞分裂とはコピーをしているようなものですが、そのうち3000枚から4000枚のミスコピーができるんですね。少し色が褪せていたり、二重に印刷されていたり、しわができていたり。そのミスコピーががん細胞だと言われています。それでは、がんになる人とならない人の差はどこにあるでしょうか。それは、正に免疫力がどれだけ頑張ったか、どれだけがん細胞を食べてくれるか、にかかってくるわけです。
免疫細胞を元気にしよう!~赤のちから~
免疫細胞を元気にするには、赤の色素を含む食品を摂ることが効果的とされています。
例えばトマト、にんじん、キムチ、クコの実や梅干、赤ワインなどです。
また、赤い物を身に付けるのもよろしい。特に弱っているところに赤を用いると効果的です。 還暦を迎えた人は頭に赤い帽子を被りますね。つまり弱っているから、物忘れが始まったら赤を頭に乗せるとよいのです。(笑)
お化粧もいいですね。だから女性は男性より長生きなのです。おしゃれな人はとても長生きというデータがでています。
白血球の役目~好中球とリンパ球~
血液中に含まれる血球には、酸素や栄養を運ぶ赤血球、出血を止める血小板、そして白血球があります。この白血球が身体を守っているわけです。これには二つの種類があります。ひとつは外から入ってきた細菌やウィルスを攻撃する好中球。もうひとつは身体の内部で勝手に増殖を始めたがん細胞を攻撃する、リンパ球です。このリンパ球のおかげでがんになりにくのです。
この好中球とリンパ球の一生の内での数的分布は逆になります。好中球は最初は多く、年とともに減少しある年代になるとまた増えてきます。リンパ球は最初は少なく、徐々に増えていきある年代から減少していきます。そして、この好中球とリンパ球が逆転する時期が、ちょうど還暦を迎える60歳くらいと言われています。リンパ球は減少しても、細菌やウィルスを食べる好中球が増えるのならばいいのではないかと思うでしょうが、ここにひとつ問題があります。
゛あるもの”が原因で好中球が狂いだし、正常細胞を傷つけ、がん化させてしまうのです。つまりがんになりやすい身体を作ってしまうということです。この゛あるもの”とは近頃メディアでも話題になる『活性酸素』です。活性酸素が白血球中に溜まっていくと、これが正常細胞を攻撃してがん細胞を作っていく。これを「酸化作用」といいます。わかりやすく言うと、さびついていくということです。だから、この年代は大変重要で、がんになる人が3倍に増えてくるのです。
自律神経の仕事~ストレスとリラックス~
私たちの神経は「自律神経」によりコントロールされています。これには交感神経と副交感神経というのがあります。交感神経とは、ちょうど昼間の状態、仕事などをしている時のストレス状態です。副交感神経とは逆にリラックス状態です。
実は、これと好中球、リンパ球の相関関係がわかりました。ストレスは好中球に強く影響を及ぼすのです。前述の年代になって、高いストレスを持つ生活をおくっていると、好中球が元気になり、正常細胞にキズをつけだします。一方、リラックス状態はリンパ球と関係します。 この年代の人が免疫機構を正常に働かせるためには、人生の中にリラクゼーションを積極的に取り入れることが、重要なキーポイントになるのです。
唾液”でわかるあなたの健康度kkkk
白血球が酸性になっているかどうか、あなたの身体が今どんな状態かということを、数値として確認することができます。「唾液」で調べるのです。エイズ感染もピロリ菌感染も唾液でわかります。活性酸素が細胞に入っているかどうかがチェックできます。
糖尿病や高血圧の人を唾液検査で調べると、必ず酸性度が高いです。酸化が強いということは、活性酸素を含んだ細胞が多いということです。逆を還元といい、これは身体がすごく元気であるということです。わたしは今臨床実験をしていますが、糖尿病の人はこれが100(ミリボルト)くらいの値を示します。健康な人は0から40くらいです。とてもリラックスして楽しく健康にすごしている人はマイナスの値を示します。リラクゼーションの時間をきちんととり楽しむ時間を増やすことは,とても大事なことなのです。
『笑い』の重要性~赤ちゃんに見る『笑い』の遺伝子のちから~
人間はどのような形で『笑い』を培ってきたのでしょうか。
生まれてきた人間のDNAの一番最初のところに、このような遺伝子があります。
「生まれたら、とにかく笑っておけばなんとかなる」
生まれる前8ヶ月くらいからエコーで調べてみると、赤ちゃんがなんと母体の中で笑う練習をしているんですね。
生まれて最初は泣きますが、その後笑う。エンジェルスマイルです。お母さんはその子をみて、全ての世話をしてくれる。
お父さんはこの子のために仕事をしばければと思う。おじいちゃん、おばあちゃんは、孫が可愛いと思う。赤ちゃんは「笑っていればみんなから可愛がってもらえる」と思います。
はいはいから立ち上がる8ヶ月~10ヶ月頃、人見知りが始まります。
その時こんな実験をします。普段はお母さんが笑うと赤ちゃんも笑いますが、これをミラー現象といいます。
ところで、この時お母さんに赤ちゃんが笑っても恐い顔をするようにお願いします。
赤ちゃんはどのように反応すると思いますか。
赤ちゃんはもっと素敵な笑いを発するように努力するのです。
「おかあさんお願いだからそんな顔しないで、どうかボクの素敵な笑顔に答えて。ボクの顔を見て」と、
もっと素敵な笑顔をお母さんに発するのです。そしてその願いが通じなくなった時に泣くんですね。
笑いでその時の状況を何とかしようとする本能が働いているわけです。
自分から笑っておけばなんとかなるという遺伝子があり、環境を変えていこうと努力するようになっている。これが、われわれのすごさです。
「笑い」がなくなった時の現実はどうでしょう。虐待があり、いじめがあり、戦争がある。笑いがないと人間はなんと悲惨なテロリストになるのでしょうか。笑いがあるからこそ、人間的な生活ができるし、人とのコミュニケーションもとれるし、仲良くなれるんですね。
笑っていれば、とにかくなんとかなるので、みなさんこれからは楽しまなければならない、ということです。そして「笑い」は免疫力を高めるものすごい力を持っているのです。